主小田主祭年始まで開催中!!「お祭・企画」カテゴリーでみれるよ!応援よろしく
地味に29日~1月11日までの期間Frayja*誕生祭といたしまして
祝いを言ってくださった方の絵リクエストに答えております!拙い絵ではございますがリクエストをいただくのはほんとモチベになるので、要求してるみたいだし悪いわなどと思わずボランティア気分で祝ってやってください(要求してるのはこっちである)
リクエストの内容をあまりにマリモ解釈してくることもあるかもしれませんがそこはいつも通りの広い心でお願いします。主小田主祭してるからといって気にせずオールジャンルですよ!
仕方ないので(定型句)と言いながらエロ(未満)を更新してまいりましたが、閑話休題、長編設定から離れて一時期パラレルをちょこちょこ構想していたのでその断片をば……。
つってもこれもエロなんですけどね
ことのはじまりはもうないサイト様で「男娼主人公と付き人小田桐」というネタを目にしたことでして、それで「男娼主人公付き人小田桐客平賀というネタ」が構想されました。パラレルなレトロ世界。
あらすじとしては謎の美男主人公にあやういところを助けられた小田桐が根城に連れ込まれて関係をもつことになってしまい、実直な秀利さんはガチで謝って変なコミュ発生、その後主人公が男娼だと知れて心配した小田桐が付き人やるんだけど、守ろうと思ってる小田桐に主人公は淡く惹かれていって、しかしポッと出た平賀さんが彼を身請けしようとしてきて……!?
というネタ。ネタですネタ。
実は風に立つよりいろんな寓話テーマあるんですが表面上はあくまでネタですわはは!断片は相当後半というか終盤しかなくてあたかも普通のパラレルのようですがネタだと思って読んでいただきたい!まあパラレルってみんなネタか……。
・身請け話に反対しない小田桐に主人公ブチキレ(ほぼ地の文なし)
「おれを抱けよ。」
清められ、つめたく濡れた体がぎゅっと押し付けられた。
ビニールのような、つるつると凝固した質感の体だった。白磁が弾いた水がぐっしょりとスーツに染み込んで肌まで濡らした。こんな体だっただろうか。こんなに細く秘めやかにかたくなな、愛らしい人形のような。ハルは氷のようにつめたげで青ざめているのに浸みてくる水はぬるく、ほぐされて豊かになるような気持ちがした。
濡れた肌と目に吸いつけられてじっと見ると、夜明けのうっすらとさした光に彼の色が少しずつ透けていった。そしてぼろりと涙が落ちた。しゃくり上げるハルの顔を隠して、棚から引きおろした大判のバスタオルで体もすっぽりと覆い隠した。よく乾いてふかふかとしたバスタオルは温かくさえあり、叩くように撫でると髪にまとわった水分をすみやかに吸い取った。
「違う……。」
「何がだ。」
「そんなことしてほしいんじゃねぇよ。」
骨のような指が何本か脇腹の肌をえぐった。掻き握った手にはシャツを破らんばかりの力がかけられて、肩に痛い重みを感じた。抉り引き裂こうとしている濡れた指の力がいとおしくてたまらなかった。
「もう一回聞くぜ。」
一度、ひどく引き攣った息を吸った。咽込まないのが不思議なほどの音がしていた。
「おまえは、おれのこと好きなのか、嫌いなのか、どっちだ。」
「好きに決まっている。」
「じゃあなんで抱いてくれないんだよ嘘吐き!」
「この抱き方ではだめなのかい。」
「だめだ。まるで違うんだ、わかるだろ、もっと折るみたいにおれを抱いただろ。あれをすればいいのに。なんでできないんだ。」
「君を、折るなんて……」
「いいんだよ折ってよ。ぶっ壊してよ。おまえに抱かれたいんだ!他のものなんて欲しくないんだ、ねぇ、おれのこと……、嫌いなら……!」
「好きだよ。」
「愛している。君がいとおしい。一生君のそばにいる。君の部屋で、君と一緒に暮らしたい。こうやって、髪を拭いて」
「……おれを、どうしたいの。」
「大事にしたい。」
「……それって、いつまで?」
「いつまでも、いつまでも」
「ひどい」
「ひどい……、わかんない……。」
「おれ、おまえの言ってること全然わかんない。怖い、なんで?なんでわかんないの?なんでわかってくれないんだ。おれは、おまえが欲しいって言ってるのに!」
「秀利、おまえが欲しいよ……。またおれの中に入って、きっつく抱いて締め上げてよ……。この、この手を。この手をこのままきつくして、力入れてくれるだけでいいのに。いつまでもって何?おれはどんだけ待っても、おまえに抱いてもらえないの?ねぇ今、今すぐできることだろ!秀利、秀利、お願い秀利。怖い、寂しい、あああ」
「ずっとそばにいるよ。」
**********
秀利さんマジ朴念仁 愛のかたちが違って生きるのがつらい
・最終的に主人公さん薬かがせて逆レイプ
「……おまえは結局、おれを欲しがってはくれないんだな。そういうものなのかも。」
「でもおれはおまえのものだ。おまえが拒んでも、知らなくても、忘れたと言っても、おれは、おまえのものだ。誰かのものなわけがない。」
「おまえはなんにも知らないんだから。」
「おれが全部教えてやるよ。」
「秀利」
「秀利」
「秀利、おれが、わかるか?」
「見えるだろう、感じるだろ秀利、おれ、を」
「ああ」
「秀利」
「ほら」
「今、繋がったんだ。おれの奥に、おまえが」
ハルの奥に僕が、僕の奥の奥にハルが溶けている。それは拾いあげて形にすることはできないが、触れると満たされる。透明な水の中で一番僕でなく一番僕である色と手を繋ぐ。百合のような、とてもいい香りの。
「おれは、おまえなんだよ……。」
そうだとも、君は僕だ。僕の守ろうとする、結局のところすべてのうつくしいものだ。愛している。愛している。幸せになってくれ。ずっと一緒だ。ずっと、ずっと僕が、君を守るから。だからそんなに悲しそうな顔をしなくていいんだ。
水がさまざまな薄くてきつい色に染まりながら揺れるのを見た。水に棲むあまたのいきものがおのおのに呼吸した。痛く白い電光がばちりと弾け飛んで、一瞬水の底がどこまでも澄んで見えた。抵抗もなくそこへ落下する。
彼へ。
彼へ!
ハルは泣きながら一瞬だけ幸せそうに笑った。笑って自分の胸にぎりぎりと爪を立てた。白の上に力の入った中指が簡単に肌を破って、じんわりと赤黒い血が滲んだ。美しいばかりなのに、なぜか少し胸が苦しくなった。
「秀利、すき。」
僕も同じだ。何も、苦しいことはない。
「好き。ごめんな。好きになっちゃった。こんなの、違うな。違うことをしたのはおれだ。わかってる。でも」
違わないさ。ここは君の部屋で、主人の君がいて、僕が一緒にいる。
「でも、いつか別のところでもまた会いたいな。
おかしなはなしだけど、いつかどこかで、おれみたいなのを探してくれたら、きっと、なんて」
ハル?
「秀利」
霞んだ視界に白い光が差し込んだ。ハル、もっと近くに来てくれないか。顔を見せてくれ。
「しあわせになってね。」
ああ、もちろん。
君が幸せなら。
真っ白い鳥の気配が扉の外に消えた。
ハルが消えたあとには、いつも通り殺風景な家具とほんの少しの体液の匂いと、白い百合の彫られた部屋の鍵だけが残された。
僕は街を出ることにした。慶介はさかんに残念がったが、止めはしなかった。
一人になってみると屋敷は驚くほど大きく、片付くということがなかった。もともと僕の手などいれられぬところだ。
小さな鍵を掌に握りこんで外へ出る。ずっと歩いていくと、荒野が広がっていく。どこまでも、どこまでも、荒野だ。
風が吹いていく。僕は鍵を握り、彼に会いにいった。
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実はこの「ネタ」は全体で皇帝コミュのMAX、小田桐秀利のほぐされた成長を寓意しているのでした。主人公が小田桐を超好きになっちゃうのはうちなりの余計なご愛嬌なんだけどね!
自分の中のやわらかさと手をつなぎ、その「幸せを祈って」外に出ていけるようになる話です
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