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2024/10/06(Sun) 16:22:46
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 主人公くんの数年後とかやるとそこのサイトさんの主人公くん観がよく見えておもしろいですよね、異性化と同じで興味深いです。うちのハルはますますバカになると思います。長髪でややカマのくせしていい体でチャラ男とかキモいな……。

 以下長編のネタ回収のために『2001年宇宙の旅』と『2010年』を見たので続きから感想をば。

以下5つの視点で感想。

A.道具という知恵
 通底する普遍テーマは人類の知恵ってところか。知恵は単純には道具であるという構造で描かれていることは、冒頭の『人類の夜明け』部分から2001年へジャンプする際に使われている演出―ヒトザルが投げた骨武器が衛星?へフェードする―で明らかに打ち出されている。
 モノリス、またモノリスを与えこの場合木星にある『神』的なものが人類に与えた影響として作中目に見えるものは骨の武器を使うってことである。そして骨の武器と衛星が似たようなものとして描かれるよ、と意思表示されている以上、宇宙船も骨武器であり、HALも骨武器である。技術‐道具‐知恵はひとくくりに骨の武器と似たようなものなのだ。
 骨の武器は肉食のため、他グループから水場を奪うために使用されているシーンが見てとれる。そして2001年時の登場人物たちはやたらともの食う。それも肉っぽいのを。うまそげでない宇宙食を。『獣が食うために技術(道具)を使っている』。
 『神』に意図があるとしたらこの構図がその意図にそぐうものなのかそれはわからない。でも人間の行動と『神』の関係なんて結局みんなそんなようなもんである。『神』は人間ではないので。

B.『死』あるいは『殺し』
 A項で述べた骨の武器、このモノリスから明らかに与えられた知恵は(作品全体のテーマを内包していると思われる)『人類の夜明け』シーンでは実は『殺すためにしか使われてない』。転がっている頭蓋骨を叩き砕き、獲物を屠殺し、他グループのヒトザルを殴り殺す。骨武器が象徴する知恵‐道具‐技術がそのさきに迎えるであろう、『見た感じ輝かしい』道具の使われ方はちらりとも見られないということを奇異には思わないだろうか?
 結論から言うとこの描き方は、さっきも言ったように技術はみんな『骨武器』と―そして、『つまりこの殺しの道具と』―似たようなもんなんだよ、というメッセージを見る者に伝えるためのものだろう。これを裏づけることとして、『骨武器』は最初から最後まで一貫して『骨』なのである。死である動物の骸骨から拾われたまさに死の象徴が前面に出されている。技術のはじまりは死であり、死のために発展した。いまの技術も死であり死を求めているものかもしれないのだ。というかたぶん、そういう側面は明らかにあるのだ。
 2001年時のまあ、現在世界?でも、なにげにかなりの人が死んでいる。べつに銃撃シーンや爆発シーンがないにも関らず、だ。直接的にはHALという『道具』が人を殺すのだ。そしてHALも人に殺される。
 これを単に知的生命との接触や壮大な輪廻の話とするならHALの反乱は不要なサイドストーリーとさえいえる。でも、そうではない。これは『死の知恵が殺しを行うという物語』なのだ。

C.P3という視点(による違和感)
 ここで話をわたし自身の視点に戻して……。
 わたしはもともとP3の二次創作のネタ採取って目的でこれを見た。実際にこの作品を見るってシーンが予定されているのだ。だからというか、自然に、わたしは『佐伯ハル』の視点で見ていたらしい。
 『ニュクスみたいなもの』とわたしは途中つぶやいた。天体から来た『死』が人を高次へ引き上げる、つまりこれはニュクス再臨みたいな話ではないかと。しかしつぶやいて、そのおかしさに気がついて笑った。『再臨』も何も――、モノリスがニュクス再臨なのではなく、ニュクスがモノリス再臨なのだ。年代は明らかに本作のほうが古く、高名で、きっとP3のイメージにも影響を与えている……。
 しかし現実が整理できたところでまた違和感を感じた。いや、『ニュクス再臨』で合っているはずだ。ニュクスが訪れたのは地球にまだ死がなかったころの話。だからモノリスよりも古くて……。
 と、ここにきてやっと違和感の元凶に気づいた。何がおかしいって、『わたしにとってニュクスが事実だということ』だ。つまり『佐伯ハル』にとってはニュクスはフィクションではなく事実なので、現実のわたしの立場(モノリスもニュクスもフィクションである)とは見方に食い違いが出る。ふたつのフィクションは大まかに同じことを言っている可能性もあるが、問題はこれを見る予定の佐伯ハルがひとつの動かしがたい事実を持ってしまっているということ自体なのだ。
 これはこの映画の見方自体にさしさわりのあることではないが、わたしの本懐にとっては大問題である。さーて、どう料理するかな。

D.HAL9000
 わたしにとっての一番の関心事であった『ハル』について。
 作品全体の流れを見ると上でも述べたようになんだか糊でくっつけたような感のあるHALの反乱であったので、最初はどう扱ったものかと困惑してしまったが、今は一応全体テーマについてイメージを持てたので大丈夫。
 とりあえず、すごくかわいい。意味や位置づけを気にせず単に個性として見るならば、『人間の判断に頼る』が『過ちを犯さぬ機械』であり『人間とともにいる刺激を愛し』『模倣した感情も持ち合わせる』彼は『佐伯ハル』の名のもととして偶然以上にぴったりだ。
 この事件をHALの視点から見るならば、HALは矛盾する命令を身勝手に押し付けられてしまったうえに仲間のクルーからもある種蔑視のような(『人間扱いされない』)疑いを受けて、任務遂行のために懸命に動いたはずが命乞いも空しく仲間の手で殺されたかわいそうなやつである。全体の構成から見るならば、HALは人間の作った道具の代表だ。『死から生まれ死を呼ぶ』道具の。
 『怖いよ』。完全無欠のはずの彼の、矛盾や不安にさらされた頼りなげな声が印象的で、魅力的だ。

E.犯人は誰か?
 『死』や『殺し』が誰かの罪だと決められるのだとしたら、一体クルー殺しの犯人は誰だろうか?『誰だと描かれているのだろうか?』
 直接的・表面的には、そりゃあもちろんHALだ。――彼は冷凍睡眠中の科学者3人まで殺している。しかし彼は『人格』かもしれないが単なる『道具』でもある。ハルという骨武器を振り下ろしてクルーたちの頭蓋骨をかち割らせてしまったのは誰か(たとえ直接の意図がなかったとしても)?その問題に加えて、本当に全部HALがやったのかって問題も、あるんだけどね……。なにせ彼も最終的には被害者だ。
 他の被疑者は一応2人あげる。一人はボーマン船長。もう一人はHALに矛盾する情報を与えた人間。そして『ボーマン犯人説』については、たぶんそう考えて考察している人もあるはずだし、わたしのネタ収集にはあんまり関係ないのですっとばす。
 で、『HALという骨武器を不適切に振ったらクルーの頭をかち割っちゃった人』というのが後者なわけだ。作中でHALが言います。『ミスを犯すのは人間です。』あくまで、人間の罪の物語なのだ。
 また、もっと言っちゃえば、『それを知っててそういうふうに仕向けた』のは、モノリスでディスカバリーを釣った『神』かもしれない。
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2008/02/23(Sat) 22:26:44
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