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2024/10/06(Sun) 17:30:29
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主小田主祭一人で開催中!!「お祭・企画」カテゴリーでみれるよ!応援よろしく


 クリスマスって言ってるわりにはのんびりしてますがそれもそのはずこの祭今日で終わりじゃなくて年始まで続けるよもう!!だからクリスマスまんがが年明けに完成してもむしろ完成しなくても大目に見てくれよな!!
 今回の主小田主長編ネタ帳びらきは早くも(ネタがないので)問題の『死神』アルカナ。主人公サイドと小田桐サイドがあります。冒頭2話を読んでないかたは10時~12時の更新ぶんをごらんになってからだとより不幸せかもしれません(愛が呪い)。
 さてこの『死神』、ついに(という割に早くも)主人公が暴発、ふたりでいるときの中では一番鮮烈にきまずい場面でこのふたりの関係に一度めの死がおとずれるのですが、ぶっちゃけ小田桐の理性が主人公のクリティカルにオーバーキルで大敗を喫する話なのでマリモ的にも問題の部分です。

・『死神』(佐伯ハルサイド)(これの前の『刑死者』でまた原因不明の眠りで寝込んでいる)
「君は、なんだか……、君が強いのは知っているが、なんだか線が細いからな。無理をしていないか心配だよ」
「心配?」
 小田桐が少しだけ眉を下げて目を細めた。やさしい顔だった。
 やさしい顔で、当たり前みたいに小田桐は言うが。
 おれが強くて線が細いなんて何のことだかさっぱりわからない。おれはおまえに簡単に揺らされてぐちゃぐちゃになっていて、おまえもぐちゃぐちゃにしてやろうと思いもする猥雑な奴なのに。
「お言葉だけど、おれはどこも強くも細くもない。寝込んだのだって……問題ないし」
「そうか?僕にはそう見えるというだけだが」
「おまえはおれに評価が甘いよ」
「……そうだろうか。逆に、君にはさんざん甘やかしてもらっていると思うが……」
 そう言って、おれを見てまぶしそうに笑った。
 呆れたような、苦しいような、嬉しいような、結局なんなんだか読み取りづらい笑顔だった。それでいて、それをする小田桐の中には整然とした自分の秩序がはたらいているようだった。おれが何者であるか、この場で小田桐だけが知っているのだと思った。
 ……やめてほしい。
 おれを決めるな、気持ちが悪い。そんなやさしい顔をしておれを揺らすな。きれいな声を出すな。きれいなもののように、おれを言うな。
 おれはおまえのものじゃあない。おまえにそんなふうに愛されたくない。それは嘘っぱちだ。嘘は正さなければならないじゃないか。おまえはそれを、望むはずじゃないのか……。
「ねぇ、じゃあ聞くけど、それってさぁ、おれが」
 手をついてぐっと至近距離で目を見ると、一瞬ぴくりと眉が跳ねて表情が揺らいだ。
 それが嬉しくて口元のいやらしい笑みが深まる。いい気味だ。もっと揺らしたい。どうしようもない苛立ちのままに、とびっきりひどいことをしてやりたい。
「おれがこんなにみっともなく、おまえを欲しいと思っててもか?」
 自分のじゃないみたいに腕が伸びた。絡まるように粘着質に掻き抱いたら小田桐はすぐに引き攣って硬直して息を止めた。怖いのか。おれが怖いと思うのか小田桐。
 きよらかで憎らしくて、握り潰してやりたいと思った。腕の中にある体は細っこくてなんだかおれは即刻だめになりそうで、やろうと思えばぽっきり折れそうで怖かった。怖くて、
 ……怖くて、小田桐の鼓動を聞いてぎゅっと目をつむり、それに耐えた。
「やめろ」
 鋭い声と押し返す腕の力に電気が走った。
 おれは反射的にばかみたいにうろたえて、おどおどと手を引っ込めた。小田桐は顔を背けて、もはや振りほどく手間もなく鞄をひっ掴んで走り去っていった。
 閉まった玄関のドアの音が本当に雷が落ちたみたいに重くびりびりする体に響いて、おれはしばらくただそこにぼんやりとしていた。

**********
 恋は革命
 くわしくは小田桐サイドのあとで


・『死神』(小田桐サイド)
 彼が一瞬豹変したのは僕のせいなのだと思う。
 口の片端が歪み目の色がすっと深くなり、しなやかに体が乗り出された。左目を縁取る長いまつげの黒々とした先までもはっきりと見えて、やがてそれが胸元に沈んだ。
 不思議な色の光に映されて、体を確かめるようにゆっくりと抱きしめられたのに、拒むどころか指の一本も、喉さえ動かすことができなかった。
 彼が聞いたことがないような低い声で囁いた。
 ただの声のはずなのに、痛いほど鋭く重く響いた。腕の芯が彼の体をもっと自分に押し付けたがっていた。呼吸するだけで、息を吐くだけのことでもおかしな声を出しそうで息までも止めて、ひどく苦しかった。
 彼の息遣いと体温が甘かった。その暴力的な甘さに、首を絞められて死ぬような気がした。
 苦しくて目眩がして、なんとか鋭い言葉を搾り出してうまく力を入れられない手で拒んで逃げた。叫び出しそうなのを抑えることだけに集中して帰り着いて、部屋の床に倒れるように膝をついた。
 彼は何を言った。
 何が起こったのかわからなかった。別の生き物のような彼の手の動きが背中に残っていた。あれはなんだ。
 あれが、もっと、
 もっと(欲しい。
 触って呑み込んで切り開いてその奥に触れてほしい。抱きしめて抉ってほしい。肌を剥いで、神経に、直に触って、…………)
 体のつくりが変わってしまったのではないかと恐ろしくなるほど感覚が露出していた。嵐が過ぎてしまってからやっと自分のしたことに気付いて一気に体が冷たくなった。最後に思わず、佐伯くん、と途切れ途切れに呼んでしまった上ずった自分の声が頭に響いて、吐き気がした。
『ねぇ、じゃあ聞くけど、それってさぁ、おれが』
『おれがこんなにみっともなく、おまえを欲しいと思っててもか?』
 あの目は何だ。
 あの腕は何だ。暗い目をしたあれは誰だ。あの苛立った声は本当に彼のものなのか。僕が欲しいとは、どういう意味だ。
 僕があの恐ろしい声を彼に出させたのか。あの絡んで絞め殺すような、腕は。
 なぜ僕はそれを貪りたがっているんだ。

 彼を裏切ってしまった、と思った。彼は大事な、何よりも守りたい尊敬する人なのに。心を通わせられると思えた得難い友人なのに。
 あんなにも、透明な人なのに。なぜ自分はこんなにも容易に、激しくて淫猥な欲に触れられてしまうのだ。欲しいと切りつけるような声で言われて、なぜそれにこんなにも震える。僕は、彼を裏切ったのだ。
 彼は答を求めていた。
 疲弊して問いかけていた。それに応えられず逃げ出したのは、この卑しい感覚を制御できなかったからだ。彼にかつてしっかりと受け止められたことを、彼にしてもらったことを、僕はそんな理由でし返せなかったのだ。それは、とても……、卑怯なことだ。
 この感覚は夢だ。卑怯にすぎる幻だ。明日になれば忘れてしまえる。僕は彼に、友愛を捧げているのだから。

 ただ平明な友愛を捧げると決めているのだから。

**********
 ハルさん大爆発編および小田桐さん大混乱編。ざまあ……じゃなくてこっからが本番ですね。ここですぐにそういう意味で意識するという方向に行かないのが小田桐秀利クオリティ、苦しめ苦しめー主人公男でよかったねー!(呪いすぎる愛)
 一時期、小田桐とうちの主人公が少女革命ウテナの樹璃さんと枝織にも似ていると言っていたことがありますが、この場面は特にそうなります。黒薔薇編の逆レイプシーンですね!
 小田桐はあくまで主人公に感じている恩義と愛情を理性的に処理して関係していて、無意識に蹂躙されると受身とる準備をまるでしてなくて、でも自分の気持ちでもあって、秩序だった力がガラガラ崩れそうになる。でもそりゃねーよ!今のナシ!忘れよう忘れよう!と今のところは対処してます。今後どうなるかな?
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2010/12/25(Sat) 18:14:39
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