P3やパレドの小話はブログで更新していけばいいんじゃないかと思い始めた。 レミーから見たうちのフィーリア姫雑感。小話っつうより、カップリングイメージだろうか。うん。
うちの殿下は基本髪をアップに結ってて(マジでやったらすげーアマゾネスだったからやっぱやめるよ・・・青のリボンでいいよ・・・) 黒い猟犬を連れて歩いてるしかめ面の女王様。表情のイメージとしては、ピュアブラの観月とかに近い感じなのかな。
「フィーリア様は面白いね。」
あのひとは高貴な淑女としても15の娘としても明らかな変人だった。
中スカートを切ってドレスを軽量化する、飽き足らず男装しはじめる、常にでかい猟犬を従えてのし歩く、さらにひどいことには剣と槍が普通の騎士より上手い。そしてきわめつけ、僕を雇って重用する。変だ。ものすごく変だ。
まあお姫様なんてのは多かれ少なかれみんな変に育つものだと思うからいいとして、とにかくなんだかどことはなく変だったから見ていて飽きなくて、何度となくその言葉を贈った。それは主君に贈る言葉としては含みの無礼すぎる言葉だったけども、あのひとは「無礼だ」という反応は一度としてしなかった。ただ美しい顔立ちに似合わない武張ったしかめ面をするだけだった。その顔がまた面白くて、その顔を見るという目的でもけっこう言った。フィーリア様は面白いね。
「面白いといい、と、あなたは思うの?」
一度だけ武張ったしかめ面からその言葉自体に対する返事が返ってきたことがあった。返しは予想外だったから、僕は少し相棒に目をやってから、口の端を上げて応えた。
「そりゃあ―――、退屈よりは面白いほうがいいんじゃないかな。それとも、フィーリア様は面白いことが嫌いなのかい?それはまた、面白いね。」
皮肉のようなことをぺらぺらと言って言葉を切ると、しかめ面のお姫様はすっと澄んだ目をして、じっ、と僕を覗き込んできた。一瞬その青灰色の目が光ってこの目の奥まで澄ましていくように見えた。
「面白いという言葉は嫌い。面白いと言われるものは、すぐに色あせて捨てられるもの。」
そう言って眉をひそめて睨むように僕を見ると、すぐにぱちりと青い光をまぶたに隠してそっぽを向いた。その凛々しい表情は盲目の領主の目元にも似ていた。
面白い、と僕は口の中でつぶやく。そのたびに少し、なぜだか申し訳ない気分になる。あのひとを呑むことぐらい造作もない。それでも素直に呑まれたあのひとはいつまでもかたくなに岩のように動かない。色褪せたことも捨てられたこともないように見えるのに。目を閉じるとき、背筋を伸ばし、天を見据えるとき、あのひとは誰のことも見ようとしなかった。面白い。そうつぶやくごとに、なんとなく哀れで、変だ、それでいいのかあなたは、と、関係もないことがよぎる。
―――面白いという言葉は嫌い。
そうしていつしか僕は代わる言葉を探しはじめ、相棒につつかれて我に返る。
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