パレドのレミーの小話構成から地の文を抜いたもの。少し宰相のイベントのネタバレています。
「こういうことについては王になるのが女ばっかりだったらいいと思うわ。」
「こういうこと?つまり、あなたがどこかの馬の骨の子だって噂があるってこと?」
「そういうこと。面倒だわ。言っていたって時間の無駄なのに。」
「確かにね、その点女王制には賛成だ。なんだったら女王様は冠の役をしてくれるだけでもいいんだしね。
…ああ、でもそれもまた面倒があるか。何を言いたいの?もうそれは過去の話題だよね。」
「確かに宰相はふん捕まえたけども過去というわけでもないわ。同時期に起こった別の案件はまだ補填できていないのだし。」
「ふぅん。どうしてるの。」
「全く困るわね。まだ回復率は5割。情報を武器にしていたのに。」
「うん、知ってるよ。案外速いね。僕の主なんだ、そうしてくれないと。」
「もうしないわね?」
「さあ、知らないね。解雇するかい?」
「不要になれば消すわよ。あなたは有能だから、宰相側に渡すのは避けたい。」
「お褒めにあずかって光栄至極だよ。」
「試みに利点だけを考えるなら、女王制の良い所はそこだけじゃないでしょうね。」
「うん?」
「子供の、実の父親と名目上の父親を別に選べるというのは、それなりに有用だわ。」
「まあね。言葉尻では使えることのようにも聞こえる。」
「たとえば私が王になる娘の父親にあなたを選んでも問題はなくなるんですからね。」
「…それはさすがにまずい。」
「どうして?」
「赤い髪の子が生まれたら困るだろう?」
「……ああ。なるほど。そうね、赤毛の祖父母に心当たりはないわね。」
「うん、我が主は時々考えが実際に即していなくて困る。」
「そう。辞めるときはいくらか金を返してからにしてね。」
「別にいいよ、そのくらいは。」
「…どちらのことを言ってるのよ。」
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