理事長に期待してたその2学生キャラの中にひとり乱入し後夜祭のワルツ。(無理だよ)ちなみに以下の内容は柚木なので絵は関係ありません。しかも絵すら髪の重心が下がりすぎてこれじゃ観月である。
前回のプレイ後感メモは暁彦が暁彦がと嘆いて終わってしまいましたが、もちろん今でも嘆いていますが、暁彦じゃなくて肝心の柚木とかシステムの話をするの忘れてはいません。やります。こってり。
柚木のシナリオは全体像としては前作のテイストをさらに深く掘り下げて、ますますわたしに似た感じの男になっていたのですが、問題のデレツンデレのツン移行ポイントがすげえぞんざいに描かれててびっくりしました。前作をプレイしてないで天使柚木の魅力に惹かれた人とかこれは相当鍛えられたなと思います。愛の力を。
でもそういう人でも結局はすごく柚木に愛着わいてくれたんじゃないですかね。柚木はルビーパーティーの男どもの中ではけっこう異質な野郎で、強さや頼りがいや格好良さではなく、むしろ弱さや不安定さやみっともなさを魅力とする、ああなぜわたしはそういう男にばかりまいってしまうのか、ともかくそういう奴で、今回のシナリオではその魅力がドバドバ出てましたからね。
そういう見せ所を心得ているだけでなく、描き方も、まあ前述の柚木がぶりすぎててリアクションとりづらいことを除けば、むやみに彼のキャラを見せまくるようなところもなく丁寧で、ルビーパーティーの面目躍如といった感じですか。コルダは全体的に丁寧なのでいいですね。某土器鯖とはえらい違いです。あれはなんかジャンルが違うからいいけど。
中身については、何か言おうとするとついつい『まったくわたしと同じような感じで』で終わってしまいそうになるのですが、まあわたしと同じような感じで、器用で、哀しくて、孤独で、演技でしか本心が言えなくて、好きな人を傷つけながら自分も傷ついて、相手が傷つきながらもそれは違うと言ってくれるのを待っている。自分が信じたいことを否定して、相手がそれをぶちこわしてくれるのを待っている。自分が何者でもそばにいると言ってくれるのを待っている。
なんていうか、前々から思っていたことですが、コルダは全員音楽と恋とを密接に関わらせていくマインドの人ばかりなのですが、柚木は比較的そうでもない凡人なんですよ。別に音楽に魅入られているわけでも愛されているわけでも身を捧げてるわけでもなく、ある意味このゲームじゃなくてもいいキャラクター。ただこういう『愛されない』キャラクターというのもすごく必要だと思いますね。話がしまって光ります。ポップしかり、ブラウンしかり。どこだって、何の手段だってよく、ただ柚木はたった一つの救いだけを求めている。他のものではなく。こういう情けない男が好きです。わたしもそうだし。
自分を優位に置き、常に相手を服従させるかたちでしか一緒にいることができない不器用ぶり、その鎖を鞭を放したらもうそばにはいてくれないのだろうといういっそ卑屈な諦念、それでも、崩れて溶けたいと強く願う、たった二人だけの世界へのむやみな憧憬と怯え。
焦がれながらも触れる勇気の出ない太陽と、夜の中を海の中をただ静かにただよっている。ただ一人を得ただけで、滅ぶことも、生きることさえ、できる気がしてくる。柚木が、好きだな。いや、観月が、好きだな。間違ってるのかもしれないけど、今のわたしにはこれ以外ないんだよな。
さあ次は本番のシステム話。
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